実際に路上を走っている自動車のボディカラーが、このマスターカラーとまったく同じならば、上記で当店が警告しているような色調の差は生じないはずです。
しかし、自動車メーカーの新色発表当時と異なり、同じ色名であるのに路上を走っている車のボディカラー(実車カラー)が少なからず違っている、というのが事実なのです。
なぜ、実車カラーがマスターカラーと色がずれてきてしまうのか?
その理由は、大きく分けて3つあります。
(1) 経年変化
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自動車を塗装しているウレタン塗料は、たいへん耐久性が高く、年数が経過してもほとんど変色・退色することはありません。
しかし、まったく変化がない、ということではありません。
太陽からの紫外線や、一年を通した温度の変化などの影響で、若干ながら色調が変化してしまいます。
エンジンの熱が強くかかる、ボンネット中央部などは特に大きく変色が進む箇所のひとつです。
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(2) ロットぶれ
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たいへん意外なことかもしれませんが、新車で出荷されたときに、すでにマスターカラーと色調が異なる、ということがあります。
いわゆる、自動車メーカーにおけるボディカラーのロットぶれ、というものなのですが、実車カラーとマスターカラーが一致しない、いちばんの要因なのです。
出荷台数が多い車種は、複数の工場で生産されるケースが多く、生産工場ごと・生産ラインごとにボディカラーに差が生じてしまうのです。
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(3) 塗装条件
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まったく同じ塗料を使ったとしても、塗装する人によって色調が変わってくることがあります。
スプレーガンと被塗物の距離、スプレーガンを動かす速度、といった微妙な塗装の条件が人によって違うからです。
シルバーやホワイトパールといった、微妙な加減で変化しやすいカラーは、この要因を強く受けます。
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以上のような理由から、実車カラーとマスターカラーの色差は、どうしても避けることができないのです。
極端な話をすると、同じボディカラーとはいっても、一台一台それぞれ色が違うということになります。
したがって、当店で配合した塗料を、そのまま使って自動車の補修を行われた場合、完璧に色が合うということはないとお考え下さい。
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