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【塗膜の欠陥と対策2】
 塗装作業を行う上で、ぜひ知っておきたいのが塗膜に現れる欠陥の種類と、その対策です。
 どういった原因が、どんな欠陥を引き起こすかを知ることは、欠陥の予防にも役立ちますし、欠陥が起こってしまった場合に、適切な処置を行うことができます。
 塗膜の欠陥とその対策について、実践に役立つ正しい知識をご紹介いたします。

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ゆず肌(オレンジピール)
●塗装時、塗面が平滑にならず、みかんの皮のように凹凸状の塗り肌になる。
ゆず肌(オレンジピール)

ゆず肌(オレンジピール)

 原 因
●シンナーの選定を誤って、蒸発の早いものを使用したり、希釈が少なく粘度の高いまま塗装した場合。
●塗装室や被塗物の温度が高すぎる場合。
●スプレーガンの運行速度が速い、また、距離が遠い場合。

 対 策
●塗装条件にあったシンナーを使用し、すこし多めに希釈する。
スプレーガンを正しく調節し、正しいパターンになるようにしておく。

 処 置
●症状が軽い場合は、水研ぎを行い、ポリッシングで肌を平滑にする。
●症状がひどい場合は、肌落としをしてから、再塗装する。

ロックペイント発行・自動車補修塗装ハンドブックより抜粋

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ブラッシング(白化・カブリ)
●塗装表面に空気中の水分が結露し、乳白色のにごりや、くもりが生じて、目的の光沢が出ない。
ブラッシング(白化・カブリ)

ブラッシング(白化・カブリ)

 原 因
●高温多湿時に乾燥の早いシンナーを使用した場合。
●スプレーガンのエア圧力が高すぎる場合。
●被塗物が極端に冷え過ぎている場合。

 対 策
●蒸発の遅い、良質のシンナーを使用する(リターダーの添加も効果的)。
●スプレーガンのエア圧力をあまり高くしない。(通常は0.20〜0.25MPaが適切)

 処 置
●症状が軽い場合は、希釈した塗料にリターダーを加えて再塗装するか、コンパウンドで研磨する。
●症状が極度にひどい場合は、十分乾燥後、サンディングして再塗装する。

ロックペイント発行・自動車補修塗装ハンドブックより抜粋

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チヂミ(リフティング)
●旧塗膜や下地塗料が、上層に塗装した上塗り塗料中の溶剤で侵されて、表面がゆがんだり、ちぢんだりしてシワになる。
チヂミ(リフティング)

チヂミ(リフティング)

 原 因
●耐溶剤性の悪い塗料(酸化乾燥型のエナメル、劣化した変性アクリルラッカー、新車塗膜の焼きがあまいとき)の上に塗装した場合。
●耐溶剤性の悪い塗料の上にポリパテをかぶせ、その上に上塗り塗装を行った場合。
●サンドイッチ(ラッカー系→反応硬化系→ラッカー系)で塗装を行った場合。
●2液型塗料の危険時間帯(上塗りを行うとチヂミが起こる乾燥状態)に再度塗装を行った場合。

 対 策
●劣化した旧塗膜は、ペーパーで研ぎ落とすか、リムーバー(剥離剤)で剥離する。
●耐溶剤性の悪い旧塗膜は、2液型ウレタンプラサフでブロック塗装を行い、強制乾燥後、塗装を行う。
●耐溶剤性の悪い旧塗膜の上に、ポリパテを盛り付けない。
●2液型塗料の、危険時間帯に、再塗装を行わない。

 処 置
●チヂミが軽い場合は、薄く塗り重ねて、溶剤の浸透を抑えながら塗装する。
●チヂミがひどい場合は、完全に除去し、再塗装する。

ロックペイント発行・自動車補修塗装ハンドブックより抜粋

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パテ跡
●パテ付けの段落としの部分にそって、傷が広がったり、ちぢんだりする現象。
パテ跡

パテ跡

 原 因
●硬化不十分なパテの上に、上塗り塗装を行うと、パテが軟化して起こる。
●耐溶剤性の悪い旧塗膜の上に、ポリパテをかぶせたまま上塗りを行った場合。
●パテの研磨不足
●急激な乾燥を行った場合。

 対 策
●下地塗料は充分に乾燥させてから、上塗り塗料を塗布する。
●パテの硬化剤は、規定量を混入し、良く乾燥させる。
●耐溶剤性の悪い旧塗膜の上に、パテを盛り付けない。
●極度な厚塗りや、塗り重ねを避ける。

 処 置
●充分乾燥後、研磨除去し、再仕上げを行う。

ロックペイント発行・自動車補修塗装ハンドブックより抜粋

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