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２Ｋ専用原色とソリッド用原色

　２Ｋ塗装とは、（ソリッド，メタリック，パールにかかわらず）カラーを塗装したあとに、トップコートクリヤー（上塗り専用クリヤー）を塗装して仕上げる塗装方法のことです。
　メタリックとパールカラーは、必ずトップコートクリヤーを塗装しますので、常に２Ｋ塗装といえます。また、ソリッドカラーでも、最近はクリヤーコートされる場合が増えてきています。

（参照：クリヤーコートは必要なのか？）

　この２Ｋ塗装のとき、（カラー層が完全硬化している場合は問題ないのですが）煩雑な塗装作業を行った場合、従来品では、クリヤー層にカラー層の着色顔料が溶け込んで色が濃くなってしまう現象（戻りムラ）や、メタリック粒子が部分的に動き回ってしまいムラになる現象（泳ぎムラ）がよく見られました。

○戻りムラ：
	上層のクリヤー層に、下層のカラー層から着色顔料が溶け出すことでムラになる現象。着色顔料だけが溶出してくるので、全体的に色が濃くなる傾向になる。
○泳ぎムラ：
	着色顔料がクリヤー層に溶出することで、メタリック粒子やパール粒子が動き回り、ムラが生じる現象。光輝性粒子の配列が乱雑になり、きらめき感の弱い部分と強い部分にバラバラに分かれてしまう。

従来品		クリヤーコート

２Ｋ専用原色		クリヤーコート

　こういったムラの原因を解消するために、パナロックでは戻り･泳ぎを防止する特殊高分子樹脂を配合した、２Ｋ専用原色が設定されています。
　この高分子樹脂の作用により、カラー層の塗装後、より短時間でクリヤーコートを行うことができ、ムラの起きにくい美しい２Ｋ仕上げが可能となりました。

●調色配合･混合するときの注意点

◆【メタリック・パールカラーの場合】

　メタリックベース･パールベースを調色するときには、泳ぎ･戻りムラの起きにくい特性を生かすため、できるだけ２Ｋ専用原色を使用するようにしてください。
　特に、２Ｋ専用原色とソリッド用原色の両方の設定がある原色の場合は、２Ｋ専用原色の方を使用されることをおすすめします。

メタリック・パールベース

２Ｋ専用原色

　２Ｋ専用の設定がない原色（ソリッド用原色）をどうしても使用しなくてはならない場合は、できるだけ添加量を少なくするか、慎重に乾燥時間をとって塗装をするようにしてください。

メタリック・パールベース

ソリッド用原色

　決して、メタリック･パールベースにソリッド用原色を加えてはいけないわけではありません（たとえばファーストバイオレットやマゼンタはソリッド用の設定しかない原色ですが、メタリック･パールカラーにしばしば使用されています）。
　しかし、あまり多量にソリッド用原色を添加すると、メタリック粒子やパール粒子が泳いで、ムラになる原因となります。

◆【ソリッドカラーの場合】

　ソリッドカラーを調色するときには、ソリッド用原色同士を配合･混合するようにしてください。

ソリッド用原色

　ソリッドカラーには、２Ｋ専用原色は絶対に混合しないでください。
　仕上がりが悪くなったり、充分な塗膜性能が発揮されない場合が、多々あります。

ソリッド用原色

２Ｋ専用原色