 ラッカータイプと2液タイプ
パテやプライマー・プラサフをはじめとして、塗料には一般にラッカーと呼ばれるタイプと、硬化剤を併用する2液型タイプのものがあります。
この2タイプの違いは、塗装後の乾燥するときの仕組みの違いなのです。
ラッカータイプは、単純に含まれていた溶剤が蒸発することで乾燥塗膜となります。
これに対して2液タイプは、主剤と硬化剤が化学的に反応し、より強固な別の物質として塗膜を形成します。
タイプ |
【ラッカータイプ】
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【2液型タイプ】
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長 所 |
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乾燥が早い。 |
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硬化剤を配合する、わずらわしさがない。 |
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使い残りも、きちんと保管すれば再使用が可能。 |
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塗装ムラが起こりにくい。(上塗り塗料の場合) |
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乾燥中に熱を発しないので、素材にひずみを起こさせにくい。(パテの場合) |
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化学反応による塗膜なので、非常に頑強で、耐久性が高い。 |
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揮発性溶剤分をほとんど含まないので、乾燥の前後でのヤセがほとんどない。(パテの場合) |
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最大膜厚ごとにさまざまな種類があり、選択に幅がある。(パテの場合)
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比較的弱溶剤性なので、下地を侵す心配が少ない。 |
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下地(鋼鈑)との密着性が比較的良好。 |
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短 所 |
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乾燥後でも、溶剤との接触で再溶解する可能性がある。 |
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下地を侵すことがある。 |
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下地との密着性が、あまりよくない。 |
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厚付け作業に適さない。(パテの場合) |
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乾燥後のヤセが大きい。(パテの場合) |
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硬化剤を加える手間がかかる。 |
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硬化剤分だけ、価格的に高価になる。 |
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使い残りを再使用することができない。 |
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乾燥中に反応熱が発生するため、熱に弱い素材には適さない。(パテの場合) |
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代表的な 商品例 |
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※)プロタッチはラッカー塗料ではありませんが、1液型ということで代表例に含めています。
上表にあるとおり、どちらにも長所・短所があるのですが、現在、一般的に広く使われているのは、耐久性の高い2液型タイプです。
特に、下地関連については、ラッカータイプは最終修正用のラッカーパテを除けば、ほとんど使われなくなってきています。
ただし、上塗り塗料については、作業軽減や商品の高性能化に伴って、1液型ベースコート塗料が使用される割合が、年々多くなってきています。
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